2012年1月2日月曜日

東京圏発:東京都心・東京湾岸の緑地にエナガが進出・都市鳥化か?

 エナガ〔写真〕は、種としては沖縄県をのぞく全国にふつうに繁殖している小鳥で、里山の雑木林の鳥というイメージが一番かと思います。しかし、東京では、奥多摩や多摩丘陵などには多数生息していますが、平地部の住宅地や都心部などには、以前からまったく定着していませんでした。
 東京の平地部はビルや道路、住宅などの人工建造物で覆われ、公園などの緑地が少ないため、森林性のエナガは棲めないと思っていました。しかし、1980年代からは郊外、2000年ごろからは23区の住宅地の緑地で繁殖するようになってきました。そして2010年代には、明治神宮や新宿御苑、自然教育園などの都心部にも定着を始めています。
 さらに、この傾向は、千葉県の平地部の緑地でも見られ、習志野市の谷津干潟周辺の、造成して30年程度の緑地でも周年複数が生息するようになってきています。
 どんな理由でエナガが新天地へ進出しているのか、興味深いところです。〔川内博〕