2012年2月23日木曜日

図書紹介・ツバメのエンサイクロペディア『田んぼの生きものたち ツバメ』


会員の神山和夫・渡辺仁さんらが、ツバメの本を出されました。タイトルは『田んぼの生きものたち・ツバメ』で、おもな対象は小学生ですが、中味は最新の情報や写真が満載されていて、新知見も得られる内容です。話は春の古巣への帰還から始まって、番形成、巣作り、産卵、抱卵・・・・と季節を追って、ツバメの生態がシャープな写真と平易な説明で綴れています。「田んぼの」という題名になっていますが、彼らの生活のベースは都会地でも同じですので、都市鳥研究にもおおいに参考になります。
日本のツバメについてのモノグラフがない現状では、子どもたちだけでなく、我々にも有効なツバメのエンサイクロペディアとしてお勧めできる一冊です。ツバメについて質問があったときも、これ一冊あれば、いろいろな説明に使えそうです。

田んぼの生きものたち ツバメ(文 神山和夫・佐藤信敏・渡辺仁 写真 佐藤信敏)2012年、農山村文化協会刊 AB56ページ、2500円+税



2012年2月11日土曜日

柏駅東口ダブルデッキ下のイワツバメコロニーが消滅

千葉県柏市のJR柏駅東口にあるダブルデッキと呼ばれる高架下には、1980年代からイワツバメのコロニーがあることで知られていました。
多いときには使用未使用含めて200近い巣がありました。
2006年の様子。天井と梁の境に巣が見える

イワツバメの巣(2006年8月)
ところが昨年2011年3月11日の震災後、耐震工事のためにデッキの補強工事がおこなわれています。昨日の2月10日に確認にいったところ、天井に板がはめ込まれ、巣が撤去されていました。また、一部はまだ巣が残っているようですが、板にふさがれているために利用は不可能です。
今後イワツバメが渡来したときにどう行動するか注目しています。現在のところ巣を作れる可能性がある場所がほとんどないので、営巣は難しいのではと思います。(柴田佳秀)

天井がふさがれてしまった現在の様子

2012年2月9日木曜日

松本にもカラスの塒で問題が表面化

2月9日付けの信濃毎日新聞によると、松本市内のあがたの森公園でカラスが塒をつくり、苦情が出て問題になっているそうです。
カラス問題は、ゴミ荒らしや攻撃から、塒問題にシフトしてきている感じがします。
特徴は、地方都市の都市部の中心にある緑地に塒する。構成種はハシボソガラスが多く、冬塒であることがあげられそうです。
2005年に松本で日本鳥学会の大会があり、そのときカラスを見て回りましたが、ほとんど見られませんでした。状況が変化してきているのでしょう。(柴田佳秀)

松本のあがたの森公園がカラスのねぐらに 市に住民から苦情

2012年2月6日月曜日

電線にぶら下がるミヤマガラス

カラスはいろいろな「遊び」と思われる行動をすることが知られていますが、どの種がどのようなことをするか、きちんとまとめられたことは無いように思います。
私自身は見たことがないのですが、電線にぶら下がるカラスが知られています。私の記憶では、ハシボソガラスがこのようなこのようなことを時々するようですが、ほかの種がするのかどうか、知りませんでした。ところが、ミヤマガラスが電線にぶら下がっている写真が、あるブログに出ているのを偶然に見つけました。

ミヤマガラスのぶら下がり120109千葉県

さらに調べると同じブログにハシブトガラスがぶら下がっている動画も出ていました。

カラスのぶら下がり(動画)111113千葉県(追加111129)」

どの種類が、どのような時季に、どのような状況で行っているか、情報を集積すると、何か分かってくるかもしれません。(渡部良樹)