繁殖に成功した銀座のデパートの庇裏に営巣したツバメは、通勤途上の複数のご婦人や紳士に優しく見守られていました。私が雛を観察していると6羽いますよねと話しかけてきたり、昨日はカラスを親ツバメが追い払っていましたよと教えてくれたりと会話が弾みました。
もう1か所繁殖に成功した築地のビル管理人は、いつ巣立つのですか、どうしたら良いのですかと観察している私に尋ねてきたりしました。結局はツバメあり注意の表示のみ行っていました。また、2回営巣する場合がありますよと言っていたら、本当に2回目の営巣を始めていました。
繁殖に成功した2箇所のツバメともカラスを警戒しているようで、給餌でないのに戻って来て様子を見たり、近くのハシブトガラス追い払ったりしていました。築地では、繁殖に成功した巣より奥に新しい巣を造り2回目の抱卵をしています。
飛来はしたものの営巣しなかった1か所は、昨年は繁殖に成功していた場所なのですが。今年4月に行ってみると、古巣は撤去され、巣のあった梁のみが再塗装されていました。
調査をしていて、ツバメに対する人々の置かれている立場や思いの差が感じられました。〔石井秀夫〕
銀座デパート庇裏巣 2012年6月21日撮影