2013年11月22日金曜日

「都市鳥・オオタカ」を語るシンポ・終了

112日、日本野鳥の会東京と共催で開きました東京の環境を考えるシンポジウム・第3回「東京都心部の自然・“緑島”の今と昔・そして未来」は、自然教育園2階の講義室ほぼいっぱいの46名の参加を得て、予定通りで終了しました。〔写真〕
まず、基調講演では、都市鳥研究会代表の川内 博氏が、東京都心部の自然・“緑島”の代表格である明治神宮(渋谷区)で見られる鳥の66年間の推移を紹介。草原性の鳥類の衰退(ホオジロ・モズなど)と森林性の鳥類の台頭(ヒヨドリ・コゲラ・オオタカ・エナガなど)がわかりやすい表によってしめされました。また、その表からは読み取れない個体数の変化も、シジュウカラとヤマガラのテリトリーマッピング調査から、ヤマガラの急増が明らかになっているなどが語られました。また、オオタカやエナガの繁殖生態についての話もあり、最後はパリのモンソー公園での体験が語られました。
次いで、日本野鳥の会参与の金井 裕氏より、「都市緑地とオオタカの保全」というタイトルで、オオタカの一般的な生態と市街地に進出してきているオオタカの実態が紹介されました。その中で、生息状況の変化と保全施策の実態、生息・営巣条件の変化や食物内容の研究などにも触れられ、最後に「種の保存法と生息環境保全」についてのレクチャーがありました。
その2つの講演を受けた形で、「オオタカが生息するようになった『東京都心部』の環境とは」という題でパネルディスカッションが発展。パネリストとして、日本野鳥の会東京探鳥会リーダーの中村文夫氏と高橋嘉明氏が加わり、オオタカを中心とした具体的な話へと展開しました。その中で、東京に自然系の博物館がまったくないことが指摘され、今後の課題としてクローズアップされました。

さいごに、“緑島”のひとつである自然教育園(港区)について、自然教育園名誉研究員の矢野 亮氏による「自然教育園60年間の自然の記録」の講演があり、興味深い園内での変遷が、パワーポイントを使って語られました。