2016年4月23日土曜日

吉野山にもイソヒヨドリが~観桜ツアーでの観察から

和歌山県の高野山にイソヒヨドリがという話を、昨秋本ブログで紹介しました(1018日付)が、今春の478日、吉野山と高野山を巡る観桜ツアー中に、両山でイソヒヨドリに出会いました。
奈良の吉野山は、ちょうど「中の千本」が満開で、折からの雨があがり、谷沿いに霧が立ち込め、幻想的な雰囲気のなか〔写真1〕、参道沿いの建物から、イソヒヨドリの囀りが2か所で響き、姿も確認できました。参道沿いは木造家屋が続いていて、全体的にも、とくに岩山の印象はありませんでした。
翌朝5時、高野山の宿坊の窓のすぐそばで鳴くイソヒヨドリの大きな声で目覚めました。同じ個体と思われる雄が、巨木のてっぺんで囀っていました〔写真2〕。昨秋その姿を確認した壇上伽藍の根本大塔に行くと、そこでも1羽の雄が塔の一番高い相輪で。また、商店街の続く通りの屋根や駐車場でもさえずりを聞き、計4か所で確認しました。奥の院も歩きましたが、さすがに苔むした墓石が並ぶ、巨木の森のなかではその声は聞こえませんでした。

今回の観察から感じたことは、内陸部進出が進んでいる西日本の山はどこもチェックが必要ということと、比較のために従来の「磯」での生活ぶりをもっと知りたいということでした。ぜひ海岸沿いでの生態調査にもご協力ください。(川内 博)

〔写真1〕満開の吉野「中の千本桜」のなかで、イソヒヨドリが囀る

〔写真2〕高野山・巨木のてっぺんで囀るイソヒヨドリの雄